「リーダー職、おめでとう!」
同僚からの祝福の言葉に、Bさんは少し照れながら頭を下げた。数ヶ月前まで、夥しい量の書類とメールに埋もれ、自分のケアレスミスに怯えて昇進を諦めていた自分が、チームを率いる立場になった。まるで夢のようだったが、マルチモーダルインターベンションシステム®を経て手に入れた「新しい感覚」が、これは現実なのだと告げていた。
Bさんがリーダーとなったのは、世界中のサプライヤーと顧客を繋ぐ、社内でも特に多忙な部署だった。膨大な契約書、複雑な貿易書類、刻一刻と変わる市場データ。かつてのBさんにとって、そこはミスの地雷が埋められた戦場だった。
しかし、リーダーとしてのBさんは違った。
ある日の午後、部下の一人が、緊張した面持ちでBさんの元へ来た。 「Bさん、明日船積み予定の精密機器の件、最終確認をお願いします」 差し出されたのは、分厚い船荷証券と契約書の束。以前のBさんなら、その情報量の多さに眩暈がし、重要な数字を見落としていたかもしれない。
Bさんは書類を受け取ると、静かに目を通し始めた。彼の頭の中では、文字や数字が単なる記号ではなく、意味を持つ情報として立体的に、そして整然と構築されていく。数分後、Bさんの指が、書類のある一点をトントンと叩いた。
「ここの製品型番、契約書とインボイス(送り状)で末尾のハイフン以降が微妙に違う。おそらく入力ミスだろうけど、このまま通関で止まったら、納期遅れで億単位の違約金が発生しかねない」
部下の顔が青ざめる。誰も気づかなかった、あまりに些細な、しかし致命的なミスだった。 「すぐに先方に連絡して、書類を訂正してもらおう。君がここまで進めてくれたおかげで、最終チェックで防ぐことができた。ナイスプレーだ」
咎めるのではなく、チームの成果として認めるBさんの言葉に、部下は安堵の表情を浮かべ、深く頭を下げた。自分の過去の苦しみを知っているからこそ、Bさんはミスを犯した個人の問題ではなく、チームで防ぐべき課題として捉えることができた。この一件で、チームメンバーのBさんに対する信頼は、絶対的なものに変わっていった。
Bさんの能力は、チームの危機管理だけでなく、大きなビジネスチャンスを掴むことにも発揮された。
ある時、アフリカの新興国で大規模なインフラ開発プロジェクトが立ち上がった。多くの部署がリスクを恐れて二の足を踏む中、Bさんは膨大な資料を読み解き、そこに眠る可能性を見抜いた。
各国の経済指標、関連企業の信用情報、現地の政情レポート。散在する無数の情報を、Bさんはまるでジグソーパズルのピースをはめるように統合していく。すると、一見リスクだらけに見えるプロジェクトの中に、ある特定の条件下でのみ成立する、安全かつ高収益なビジネスモデルが、一本の光の道のように浮かび上がってきたのだ。
「このプロジェクト、一点だけ解決すべきボトルネックがある。しかし、A国のこの企業が持つ特許技術を使えば、完璧にクリアできるはずだ。すぐにA社にコンタクトを取ってみよう」
Bさんの「俯瞰の視点」から生まれた大胆かつ緻密な提案は、役員会を驚かせ、見事プロジェクトの獲得に繋がった。彼はもはや、ミスをしないだけの社員ではない。誰もが見過ごす情報の中から価値を紡ぎ出し、チームを未来へと導く、真のリーダーへと変貌を遂げていた。
夕暮れのオフィスで、活気に満ちたチームメンバーの姿を眺めながら、Bさんは静かに思う。 昇進はゴールではなかった。手に入れたこの力は、自分一人のためではなく、仲間を守り、チームの可能性を最大限に引き出すためにこそあるのだと。
ケアレスミスに怯えていた昨日の自分に別れを告げ、Bさんは今、信頼という名の光を集めながら、商社という大海原を航海する、頼れる船長として力強く舵を切っている。
この物語は、実際のケースをフィクション化したものですので、ご参考にしてください。
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