スランプという長いトンネルを抜け、C選手は再びゴルフコースに立つ喜びを噛み締めていました。ビジョントリートメント®は、彼の動体視力だけでなく、ゴルフそのものへの情熱を再点火してくれたのです。カムバックの目標は、クラブチャンピオンのトロフィーではありませんでした。それは、かつての自分自身を超える、という静かで、しかし熱い挑戦でした。
彼の変化に最初に気づいたのは、長年のゴルフ仲間たちでした。
「C、最近なんだかゴルフが変わったな。大崩れしなくなった」
土曜の午後、馴染みのメンバーとのラウンドでのこと。以前のC選手は、時折スーパーショットを放つものの、難しいホールでは必ずスコアを落とす波の激しいプレーヤーでした。しかし、今の彼は違います。
例えば、名物ホールである林越えのショートカット。以前なら「一か八か」で挑んでOBを叩いていた場面でも、今の彼には木々の枝葉の隙間、風が作る安全なルートがはっきりと見えています。彼は無理にピンを狙わず、最も賢明なルートを選択し、確実にフェアウェイを捉えるのです。
圧巻だったのはパッティングでした。仲間たちが「今日はグリーンが難しい」と嘆く中、C選手はまるで掌のしわを読むかのように、芝目と傾斜を正確に読み解きます。彼のパットは、派手なバーディーを量産するわけではありません。しかし、難しいパーパットを、まるで簡単なタップインのように、次々と沈めていくのです。
「すごいな。勝ちに行くゴルフじゃなくて、負けないゴルフだ」
仲間の一人が、感嘆の声を漏らしました。その言葉こそ、C選手の内面で起きていた変化を的確に表していました。
ラウンド後、クラブハウスのラウンジでスコアカードを眺める時間が、C選手にとっての「表彰式」でした。
そこに書かれているのは「75」。派手な数字ではありません。しかし、カードにはダブルボギー以上の数字が一つもなく、安定したパープレーが続いています。彼は引き出しから、全盛期だと思っていた頃のスコアカードを取り出しました。そこには「73」という自己ベストの記録がありましたが、その内容は6つのバーディーと、同じくらいのボギーやダブルボギーが入り乱れた、荒々しいものでした。
「あの頃は、若さと勢いだけだった。だが今は…」
今の自分のスコアカードには、安定と自信が刻まれているように見えました。視覚情報がクリアになったことで、無謀な挑戦が減り、コースマネジメントの精度が格段に上がったのです。一つ一つのホールと丁寧に対話し、リスクを避け、着実にスコアをまとめる。その知的で成熟したプレースタイルこそ、彼が手に入れた新しい武器でした。
平均スコアは、以前の「全盛期」を明らかに上回っていました。トロフィーはなくとも、この数字の「安定」こそが、彼にとっての何よりの勲章だったのです。
ある日の夕暮れ、一人で練習グリーンに残ったC選手は、沈みゆく太陽に照らされた芝を静かに見つめていました。
スランプの頃は、ボールがぼやけ、カップが憎らしく見え、ゴルフが苦痛でしかありませんでした。しかし今は、すべての景色が愛おしい。ボールのディンプル(凹み)の一つ一つ、スパイクが作った僅かな跡、遠くの木の葉の揺らぎ。世界がクリアに見えることで、彼の心もまた、穏やかになっていたのです。
勝利への焦りが消えた代わりに、一打一打を慈しむような、深い喜びが湧き上がってくるのを感じていました。
C選手の物語は、派手な逆転優勝のニュースとして報じられることはないでしょう。しかし、一人のアマチュアゴルファーが、自身の限界と向き合い、視覚という根源的な能力を取り戻すことで、競技の本質的な喜びに到達した、何よりも価値のある物語なのです。彼の挑戦は、勝ち負けを超えた、「生涯スポーツ」としてのゴルフの魅力を、静かに、しかし雄弁に物語っていました。
この物語は、実際のケースをフィクション化したものですので、ご参考にしてください。
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