「授業がカンニングしているみたいだ!」
そう言ってはにかんだA君の笑顔は、彼だけでなく、彼の家族や先生にとっても希望の光でした。「努力不足」という重いレッテルを貼られ、勉強机に向かうたびに小さくなっていたあの頃が、まるで嘘のようです。
マルチモーダルプログラムで視覚認知能力が向上したA君にとって、世界はまるで解像度が上がったかのように見えていました。以前は文字の塊にしか見えなかった国語の教科書は、情景豊かな物語を語り始め、ただの数字の羅列だった算数の問題は、解き明かされるべき面白い謎に変わりました。
ある日の算数の授業。複雑な図形問題に、クラス中が頭を悩ませていました。以前のA君なら、すぐに諦めて窓の外を眺めていたでしょう。しかし、今の彼は違いました。彼の頭の中では、補助線がスッと引かれ、図形が回転し、パズルのピースがはまるように答えへの道筋が見えていたのです。
「はい!」
凛とした声で彼が手を挙げると、教室が一瞬静かになりました。先生に指名されたA君が、黒板の前で堂々と、そして楽しそうに問題を解説していく姿に、クラスメイトたちは目を丸くしました。かつて彼を「できない子」と見ていた友達も、今では「どうしてそんなに分かるんだ?」と尊敬の眼差しで質問に来るようになりました。
A君は、自分が苦しんだ経験があるからこそ、つまずいている友達の気持ちがよく分かります。「ここはね、この図形をこうやって見てみると、隠れてる三角形が見えてくるんだよ」と、自分がプログラムで学んだ「見方」を、自分の言葉で優しく教えてあげるのでした。
自信は、勉強という枠を越えてA君を輝かせ始めました。
それまで苦手意識から避けていた、細かい部品を組み立てるプラモデル。お父さんと一緒に挑戦してみると、以前は苦痛でしかなかった説明書がスラスラと頭に入り、彼の指先から精巧なロボットが生まれました。完成した作品を誇らしげに眺める彼の目は、達成感でキラキラと輝いていました。
読書も、彼の新しい親友になりました。分厚い冒険小説を夢中で読みふけり、物語の世界に没頭する時間は、彼にとって何よりの楽しみです。食卓での会話は、いつしか宿題の心配から、A君が読んだ本のあらすじや、登場人物について熱く語る時間に変わっていきました。それを見守るご両親の目には、薄っすらと涙が浮かんでいます。
6年生になったA君は、卒業文集にこう書きました。
「僕の将来の夢は、建築家になることです。昔は、設計図なんて複雑な絵にしか見えませんでした。でも今は、たくさんの線や形の中に、人々の笑顔が生まれる素敵な空間が見えます。見方を変えれば、世界は面白くなる。そう教えてもらった経験を活かして、みんながワクワクするような家を設計したいです」
A君の物語は、単に成績が上がったという話ではありません。それは、一人の少年が「努力不足」という呪縛から解き放たれ、自分の中に眠っていた無限の可能性に気づき、未来へと力強く羽ばたいていく、感動の物語なのです。彼のその翼は、薫化舎のプログラムによって与えられたものではなく、彼がもともと持っていた力を、見つけ出す「コンパス」を手に入れたことで、広げることができたのでした。
この物語は、実際のケースをフィクション化したものですので、ご参考にしてください。
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