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視覚認知能力

認知リフレーミング技術がターゲットのひとつとする視覚認知能力ってなんだろうと思われる方が多いと思います。どうして、学習やスポーツ、認知行動にまで関係があるのだろうという疑問をお持ちだと思います。今回は簡単にご説明出来ればと思います。

まず、一般に視覚認知能力とは、目から得た情報を理解してそれを元に物事を判断したり、行動したりする能力のこととされます。
 • 文字を読み、文書の意味を理解する
 • 物の形や大きさ、色を認識する
 • 空間における物の位置関係を把握する
 • 見たものを記憶して思い出す
 • 図形を読み取り理解する  などです。
このような視覚認知能力に課題があると、学習障害のような問題が出たり、道に迷いやすくなって遅刻をしやすくなったり、記憶が不安定になり学力に偏りが出たりすることが想像できますね。当然、運動能力にも影響し、キャッチボールが苦手であったり、体のバランスを取りにくくなり、怪我をしやすくなったりします。社会生活では、標識を見落としやすくなり、自動車などの運転にも影響が出てしまいます。ソーシャルキューの読み取りに失敗しやすくなり、対人関係的にも自閉的な問題が出やすくなることもあります。

このように、視覚認知能力は子どもの時から日常生活や学校生活を送る上で非常に重要な役割を果たしていて、この能力に問題があると社会適応が大変になることも理解していただけると思います。ご本人は努力して頑張っておられますが、自分なりの方法を編み出すなどして適応されている方も多く、視覚認知の問題は自覚しにくいため精神的に疲れやすい状態に置かれやすくなります。

ご本人は視覚認知の問題を子どもの時から抱えているので、自ら気づく事はとても難しいのです。認知リフレーミング技術は、それを自覚していただく事ができるように設計しています。

視覚認知能力に問題が生じると
① 視覚情報の処理が遅くなる。
② 視覚的な手掛かりをうまく活用できない。
③ 視覚的な注意が散漫になりやすい。
という3点が大きな課題となり、認知リフレーミングの主要なターゲットになります。
具体的にはこれらの課題があると、情報を統合したり、判断に時間が掛かるようになるだけでなく、深さや距離、動きなどを正確に予測することが苦手になります。加えて、特定の対象に集中することが難しく、注意欠陥のような反応も出やすくなります。ですので、日常生活から社会生活、運動スポーツの能力にまで影響が出るのです。これを認知リフレーミング技術とプログラムのご提供で改善しようとしているのです。

現在社会で活躍されている方も、本来の視覚認知能力を十分に発揮されていない事が多いのも事実です(スキーモーグルの日本代表の菅野選手も視覚認知能力を測定すると、能力開発余力がありましたので、スポンサーとして技術提供ができました)。

認知リフレーミングは、簡単にいうと、人の感覚器からの情報入力の問題を測定し、適正化して認知バイアスを修正する技術です。弊社が目という感覚器をターゲットにして、なぜ視覚認知能力を改善しようとしているのかをご理解いただけたと思います。

また、一般の認知行動療法は、意識的な思考にターゲットを当てていますが、認知リフレーミング技術は、視覚認知という無意識の領域に働きかけますので、クライアント様の努力や学習コストが軽減されるので、ストレスの少ないプログラムのご提供も可能になっています。そういう意味では、新しい認知行動療法のひとつになるかもしれません。

薫化舎の薫化は、無意識に行われる社会化の意味も含んでいますので、認知リフレーミング技術は、こうした起業の理念や理想も含まれているのをご理解いただければ嬉しく思います。


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